テクニカルダイバー加藤大典のマーシャル諸島 ビキニ環礁 沈船探検記 Vol.2

こんにちは。テクニカルダイバーの加藤大典です。

ビキニ環礁 沈船探検の続きです。

 

途中クワジェリンで2ダイブしていますが、到着まで3日がかり。やっと戦艦長門を中心としたレックダイビングプロジェクトが始まります。

 

 

メインとなる長門には合計9ダイブ

毎度50mの水深に30分以上いたので、ボトムだけで4~5時間は探検したことになる。

もちろんこれだけの水深に潜るということは減圧停止伴うダイビングとなるため、1ダイブは90~120分 1日2ダイブ  減圧障害の予防のため、保守率を高め、安全第一で潜る。

よって減圧停止時間も長くなる。よって長門だけで合計潜水時間は15時間にもなる。

潜水前のダイブプランニングでは不測の事態に備えてメインプラン以外に3パターン以上のバックアッププランまで皆で共有する。

 

 


テクニカルダイビングほどエクストリームなダイビングはない。冒険心を満たしてくれる最高のダイビングスタイル。ダイビング自体が水の中という本来、人が生息できないエリアへの侵入だ。さらに通常のダイビングトレーニングでは安全性が確保できないエリアへ特別なトレーニングを経ての挑戦となる。

 

 

これらのよりリスクのある領域に潜るために特別なトレーニングを積む。今回のメンバーも経験には差があるものの、このプロジェクトに参加するための切符を得るためにトレーニングを積んできた。

洗練されたダイバーとなり、リスクある領域で安全に潜るために本物の実力を身につけることがテクニカルダイバーには必要不可欠。すべてを組み立てプランニングしバックアッププランも手抜きせず作成し不測の事態に備える。生きて帰ることを最大の目的とし、その中でミッションを達成するために最善を尽くす。それぞれの努力の上に成功がある。人類未踏の場所、限られた人しか行けない場所、よってミッションコンプリートしたときの感動はハンパない。

 

戦艦長門は逆さ向きに沈んでいる。

 

戦艦長門 艦橋付近

長門の船首 菊の御紋はアメリカに接収前に日本で外された。御紋がついていた場所

 

 

沈船内部も探検 腐食した金属が錆びて鍾乳石のように伸びている

 

長門のスクリューは4つ

 

長門の主砲

 

減圧停止中のダイバー 各自プラン通りの計画潜水を行う。

 

 

参加した日本人メンバー

 

次回は長門以外の沈船ついて紹介したいと思う。

 

Vol.3へ続く

 

 

[お知らせ]

2018年6月15日(金)〜9月30日(日)、水中写真家、戸村裕行さんの水中写真展「群青の追憶」が靖国神社 遊就館内にて開催されています。ライフワークとして、これまで世界の海底に眠る日本の船や航空機、潜水艦など、大東亜戦争の戦争遺産を撮影してきた戸村さんの作品がこの写真展で、沈船を中心とした、約50点の作品が展示されています。今回のプロジェクトで戸村さんが撮影された長門や酒匂の写真も8月中旬ぐらいまでには追加展示されます。ぜひぜひ足をお運びください。