破壊と再生の街、カブール

アフガニスタンは山岳国家であり、首都カブールは標高約1,800メートルにあり、今年は例年よりも雪が多かったようだ。
アフガニスタンでは、現在も国際的な支援機関や支援国の援助により復興が進められているが、
米兵によるコーラン焼却や、住民殺害などの事件も起きており、復興にはまだまだ相当な時間を要する状況である。


首都カブールでも外国人が行動できる範囲も限られており、事件が発生するたびに緊張が高まっている。
アフガニスタンといえば、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に対する米国・英国による空爆、その後の繰り返し発生するテロ事件を思い起こす人が多いと思われる。
アフガニスタンの歴史は戦争の歴史でもあり、20世紀に入ってからもイギリスからの独立戦争、ソ連によるアフガン侵攻、
ソ連撤退以降の内戦、タリバンによる支配とその崩壊と、常に破壊が繰り返されてきた地域でもある。
タリバン政権崩壊以降は、暫定政権の樹立を経て、2004年10月に初の大統領選挙が実施され、カルザイ氏が当選している。
これによって、現在のアフガニスタン・イスラム共和国が発足している。

しかし、その後タリバンの攻勢が続いており、タリバンとの和解交渉を担当していた高等和平評議会の議長ラバニ氏が殺害され、
タリバンとの和平交渉は打ち切られることになってしまった。
そのタリバンの攻勢はいよいよ勢いを増してきている状況だ。

アフガニスタンで有名なものといえば、タリバンの攻撃で破壊されてしまったがバーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群だ。
ユネスコの世界遺産にも登録されており、ガンダーラ仏教美術の傑作といわれている。
また、アフガニスタンは、フェルメールの絵画でも印象的に使用されている青色顔料ウルトラマリンの原料であるラピスラズリ(日本でいうところの瑠璃)の主要原産国でもあり、
古代ではほとんどのラピスラズリがアフガニスタン原産だったとも言われている。
質の良いものは研磨され、アクセサリーに、質の劣るものは球状や卵型に加工され、お土産として売られている。

写真は上から、
1.カブール市内から見える雪化粧の山
2.カブール市役所の壁に貼られたカルザイ大統領の写真
3.山肌にびっしりと張り付く民家