プロウインドサーファーの国枝信哉です。
今回の旅は、スペイン合宿!!
ウィンドサーフィンのプロになってから約20年経ちますが、練習すればするほど毎日発見があり、考えさせられることがとても多い。それはそれは奥の深~いスポーツです。
他のスポーツだと、体力のある若さが重要になりますが、ウィンドサーフィンは自然を相手にするスポーツなので、やればやるほど経験値が上がり上手さが増していきます。現に今の自分は約20年の選手生活の中で一番速いし、上達していると実感します。
10年前ぐらいから、日本の大会だけでなく、年に数回は海外の大会に行くことを課題にして活動してきました。
海外の大会には出場するも、、、、自分がそれで速くなったか?と言うと、なっていないような気がします。それでは無駄なのか?っていうと、それも違う。
ただ一つ言えることは、まだまだ世界には自分が知らないことが沢山ある。世界の高いレベルの中に入り目標を持ち、突き進むしかないという事。
ウィンドサーフィンはアメリカで生まれたスポーツですが、今はヨーロッパが主流で世界のトップ選手の多くがヨーロッパにいます。ワールドツアーのオフシーズンが2月から4月ぐらいなのですが、その時期はヨーロッパでも毎日のように強い風が吹くスペインの各場所に選手が集まり、トレーニングキャンプを開催します。そして各メーカーの最先端の道具が開発され、所属選手たちが道具テストする場所でもあります。
数年前からこの情報を知っていましたが、なかなか時間が無かったり、腰が重かったり、、、しかし今年はそのトレーニングに参加する事を決意して、キャンプ地スペインのタリファに行きました。
いつもなら、このハイエースに満タンのウインドサーフィンの道具を持って行くのですが、今回は現地でチームメイトが全て貸してくれるとのことなので、ウインドサーフィンの道具はこの荷物のみ!!らくちんです。
せっかくなので父親も誘ってみると、タパスを食べたいっ!と安易な気持ちで一緒に行くことになり、なんと人生初の父との男二人旅。二人でかなり不安があったけど、、、
家を出て成田からマドリードを経由してタリファまで約24時間の移動。
24時間かけて着いたスペイン・タリファで、着いたその日の夜から二人でタパスを食べ、店主のお誘いでフラメンコを見にBARへ!
二人でフラメンコの歌声に感動するも、移動の疲れでぐっすり居眠りしてしまいました。。。。
それからの毎日は、自分は夕方までウインドサーフィンの練習。
温かく迎えてくれたチームメイト達。
父は夕飯のレストランをどこにするか?を考える散歩&散策。。。。おかげで毎日美味しい夕飯を食べることが出来ました。
食事が安くてとても美味しいし、皆とてもフレンドリー。去年レース参戦でいったニューカレドニアとは大違い。あそこは、天国に近いだけあって高い!物価が高い!高すぎて天国へ届きそうでした。。。。
到着した日から、なにやらお天気がよろしくない。。。
バリバリ練習のつもりが、迎えに来てくれた人の第一声は「お前はアンラッキーだ。毎日が嵐。これは普段のタリファではないよ」
毎日、雨。そしてデカ波。来る日も来る日も同じようなコンディション。。。。
世界のトップ選手達と日に4回はレース形式の練習をして、へとへとになる予定だったのに、、、コンディションが凄すぎてなかなか練習会を開催できない。
しかし、日本からせっかく約24時間かけて来たのですから、練習しなくては!
ということで、キャンプ地よりさらに車で約2時間の場所に移動して、世界のトップ選手たちと一緒に集中して練習しました。
この車に道具を満載にしてスペインのあっちこっちの場所に行きました。
世界のトップ選手たちは皆この大きな車に多くのウインドサーフィンの道具を積んで遠征します。
ワンちゃんたち。。。かなり可愛い。
それにしても本当に毎日雨が降る。。。。
これは自分のStream Trail Windbreaker。
Windbreakerという名前ですが、雨の日にも便利!
自分のですが、父がずっと使っていました。。。。笑
有名なジブラルタル海峡を目の前に練習。
トップ選手たちとの練習会!参加料25ユーロ。その価値は100倍もあります!!
毎日、プロテインなどを飲みます。そのおかげで全く疲れなし!!
毎日この練習場所に来たけど、毎日デカ波。。。。
必ず海に出るか出ないか、、、迷う。
でも、外国人選手達は当たり前のようにこの海を出ていく。。。。
いつか当たり前のように自分も出れるようになるのか???
オランダのイングラム選手。かなりStream Trailに興味を持ってくれました。
あまりにもいい人なので、一つ上げようかとも思いましたが、、、、、、、、今回は少ししか持って行ってなかったので、やめておきました。
タリファ合宿終了!!
日本へ帰国!
このビジネスタイプのSTリュックは大事なパスポートとかも盗難にあわないような場所に収納できるし、とても優れています。
今までワールドツアーに出場すると、まずは外国人の体格の大きさに圧倒され、気持ちが負けてしまうことが多かったのですが、
今回のトレーニングキャップで多くの外国人達と共に練習する事によって、かなりその気持ちがなくなりました。
プレッシャーやコンプレックスのないリラックスした状態。そう、まるでホームグランド津久井浜で練習している時と同じような気持ちで戦う事ができました。
実はこれが今回の物凄く大きな収穫だったと思います。
ウィンドサーフィンの世界レベルは日本のレベルのはるか上にあります。しかし、今回の合宿を通して感じたことは、やっぱり上を目指すならその高いレベルに入って練習する事が絶対に重要だという事。自分は世界の選手のようになぜ速く走れないのか、今回その理由が見つかったからこそ、次に向かうゴールが見えた有意義のある旅になりました。
そして約半月父と一緒に過ごして、些細な事で色々と喧嘩をしたりしたけど、大切さを改めて感じたとても素晴らしい旅でした。