2018 厳冬期北海道リヤカー横断の旅 / 佐々木規雄

リヤカーマン 佐々木規雄です。

 

私は北海道が好きで過去4回旅してきた。

1度目は10年前にした日本一周自転車の旅をした時。

 

そして2度目は6年前に50キロの荷物を積んだソリを引いて歩いて真冬の北海道縦断。しかし途中で断念。

 

その翌年はリヤカーで歩いて真冬の北海道を内陸部を歩き縦断した。気温は-32℃ぐらいまで下がり歩いてるだけでまつ毛や鼻毛が凍り、プラスチックが簡単に割れ、北海道の寒さを感じたが最北端宗谷岬ヘゴールした。

 

さらに3年前、アメリカ大陸リヤカー徒歩縦断の事前トレーニングとして、またもや冬の北海道を今度は最北端から日本海沿いを南下し縦断。この時は日本海側と言うことで常に風が強く、時には風速30メートルを超す暴風。雪で視界がない中の歩行も強いられた。風を避けてテントを張る場所がなく国道沿いのトンネルの中で寝たことも。

 

その後、アメリカ大陸アラスカ北極圏をスタートし南米アルゼンチンのワインの産地で有名なメンドーサまで歩くが、母が重病との知らせを受け一時帰国し、時期をみて再チャレンジの準備をしている。

 

そんな中、今年2018年自身四度目となる冬の北海道リヤカー旅をした。

世界の過酷な大自然の中、生活道具、食料、水など生きる為に必要な物をすべてリヤカーに載せて歩いて野宿する旅は過酷極まりなく、それをやり続けるには強い気持ちと目標がなければ続かない。
モチベーションが落ちることも度々ある。

 

そういう時は旅に出るのが一番。

体力を維持し野生の感(判断力)を鈍らせないようにする必要もある。

日本でも北海道は広大で大自然で本州とは異なり自然動物好きな私には魅力が多い。

だから北海道が好きで旅する。

 

過去縦断ばかりしたが今回は初めての横断をすることにした。

まだ見ぬ風景やより厳しい道を求めて。

そして今後また行くであろう極地ヘの装備の確認も含めて。

 

今回の北海道の旅のスタートは友人が住んでいるニセコをベースにさせてもらい、準備して1月29日に出発。東ヘ千歳、夕張、十勝平野ヘ。そこから北へ向かい大雪山山系を越えてオホーツク海の町紋別へと抜け、そこからまた東ヘ網走、小清水から阿寒摩周国立公園を通過し弟子屈で終えた。

 

今回の旅で一番楽しみにしていたのは流氷。

出発して3週間の間、ほぼ太陽を見る事なく曇り空や雪、時にはブリザードで身動きが出来ない日もあったが、オホーツク海沿いに出た時、この上ない快晴に恵まれ海が真っ白に見えた。

もしかしてあれが流氷だろうか?!と思い地元の人に確認すると確かに流氷だと言う。気分は高鳴りこの景色が見れたことの感動とここまで歩いて来た今までの苦労が吹き飛んだ。

流氷は風に左右されやすく、風向きによっては沖に流され見れなくなることも。

 

しかし今年は例年よりも多いらしく、まるで一年前に旅した凍結した北極海のように見えた。

日本でもこんな風景が見れることに感動し、まだまだ日本には素晴らしい風景があるんだと改めて感じた。

その後、訪れた阿寒摩周国立公園も素晴らしく、終わってみたら楽しい旅だった!と心より思う。

今回の旅では最低気温はー25℃程と、冬の北極圏の旅を経験した私にはさほど寒いと感じなかったが、北極にはない湿った豪雪に何度も行く手を阻まれ、視界も奪われ大変だった。

 

しかしサポートして頂いてるストリームトレイルの防水バッグが、カメラ器材や衣服を濡れからしっかり守ってくれて安心して、旅を続けることができた。

今後も私は日本や世界の秘境を旅して、多くの出会いや経験をし、心から感動する風景を求めてリヤカーを引っ張るだろう。

一度しかない人生を悔いのないように楽しむ為に。