今日、生命の危機を久しぶりに感じた!
砂漠地帯を歩いてて、あまりの暑さと、そして水分・塩分不足でめまいがし倒れそうになった。フラフラになりながら偶然見つけた排水溝の中で数時間横になった。そして思った。
今の俺にはこれ以上この灼熱地獄の中を歩き続けることは不可能だと。
水も食料も大量に持って歩いてたが、水は今日だけでも10ℓ以上飲んだ。
超乾燥地帯な為に、呼吸するだけで口の中は一瞬で渇く。空気も熱い。
飲んでも飲んでも1分後には喉が渇く。余分に持ってた水はどんどん無くなる。
次の町まで、まだ80㎞あることを考え、水が無くなることを恐れ飲む量を減らす意識はしていた。
気付くと全身汗で真っ白。服も真っ白だった。
身体から塩分も無くなっていた。それでも傘をさしながら少しでも日陰を作り歩いた。帽子も砂漠用の大きなハットと首までカバーする物を使っていた。
首にも冷やす専用のスカーフを巻いていた。少しでも涼しい内に歩き距離を稼ごうと5時前には起きて歩いた。
しかし、朝10時頃には容赦なく強力な太陽が降りそそいでくる。今日も長い1日の始まりだ。うんざりする。
昨夜もテントの中は30℃ぐらいになり汗は止まらない。眠れない。テント内に来る虫とも戦った。
そしてついに今日、頭が痛くなり気力も徐々に失い、自分でこのままでは危険と判断し運良く見つけた排水溝に倒れ込んだのだ。
この先も砂漠地帯は続く。メキシコをもし歩くとなれば7、8月と最も暑い時期となる。正直、自信を失った。
もし誰にも気付かれることなく倒れたら死ぬだろう…。
多くの人や家族に迷惑をかけてしまうと。
俺は今まで人の死をいっぱいみてきた。海上自衛隊として、ライフセーバーとして、スキーパトロールとして、東日本大震災でも。搜索する側の立場だったから家族や仲間の気持ちはよく理解しているつもり。迷惑はかけたくない。
今まで過酷な環境の中も歩いてきたがそんな中でも今の状況の方が苦しい。
寒さならまだ装備と知識と経験で対応出来るが、この灼熱地獄は容赦ない。
そんな中、重いリヤカーを動かすと、より身体に熱を発生させる。
リヤカーの中の飲み水は太陽熱で熱湯になっていて熱い。そんな熱湯を飲むしかない。日陰なんて一切無い。
それでもフラフラで歩いていたところ、1台の車がわざわざUターンして町まで乗せてあげようと助けてくれた。
町までの後40㎞だけは、限界を超えてでも歩くつもりだったが足は動かなかった。
そして今この先のことを真剣に悩んでる。この時期のメキシコを歩く自信は無い。アメリカもこんな時期にこんな場所を歩くべきではないと思ってたがやってみないとわからないし試したかった。
今考えてるのはアメリカから南米に飛ぶか、もう一度日本へ戻り時期を考えて歩くか…。その前に今いる場所からどうやって国際空港のある場所まで行くか…。
今夜もテントで寝ることになるが、もしここからの脱出方法や良い情報があればアドバイスをお願いします。脱出できるまでこの町に居ます。今いる場所は最後に写真添付しときます。メキシコ国境に近いエルパソの北の小さな町です。