圧倒的な存在感を持つ世界遺産「Stonehenge」

「Stonehenge(ストーンヘンジ)」は、ロンドンから西に200kmほど進んだイギリス南部に位置する世界で最も有名な先史時代の遺跡である。
現在のイギリス人(アングロ・サクソン人)がブリテン島に移住した時にはすでに存在していたという。

馬蹄形に配置された高さ7mほどの巨大な門の形の組石(トリリトン)5組を中心に
直径約100mの円形に高さ4-5mの30個の立石(メンヒル)が配置されている。
夏至の日に、ヒール・ストーンと呼ばれる高さ6mの玄武岩と、中心にある祭壇石を結ぶ直線上に太陽が昇ることから、
設計者には天文学の高い知識があったのではないかと考えられている。
また、この遺跡が作られた目的には様々な説があり、現在も結論が出ていないそうだ。

..と、この程度の事前知識をもって、ロンドン・ヴィクトリア駅周辺からバスに乗ること2時間半、実際にStonehengeを訪れたわけだが、
風雨にさらされ、たくさんの月日を重ねてきたその姿は本当に壮観。
不思議で、タイムトリップしたような感覚に包まれた。
この巨石の群れは、大地にそっと置かれているのではなく、半分程度が土に埋まっているそうだ。目に見えない部分も考えると、相当大きな石である。
この巨大な石一個一個を、誰が、どのようにして、どんな目的で運んできたのか、頭の中で想像しても、石のまわりを一周する数十分では解決できないことは容易に理解できた。
また、Stonehengeが世界遺産になる前は、建設用の石材として使われたり、観光客が石を砕いてお土産に持ち帰るようなことが当たり前に行われていたというのには驚きだ。
もちろん自然に倒れてしまったりということもあるそうだが、そのようなことがなく残されていたら、さらに迫力のあるものだったのではないだろうか。

写真だと、石群のすぐそばまで寄っているように見えるかもしれないが、石群のまわりにはロープが張られ、中に入れないようになっている。
とは言え、ロープが張られていて、中に入れないのは人間だけ。
烏など小動物の出入りは自由なようで(笑)、私たちには手が届かない巨石のてっぺんで悠々と羽を休めている。
ストーンサークルのまわりをオーディオガイドを聴きながら約30分かけて一周するのだが、
歩きはじめの空は重くても時折晴れ間が見えていたのに、一周歩き終わるころには雨が降り、傘を差し、速い足取りになっているという..お約束のイングリッシュウェザーも目の当たりにした。

ところで、Stonehengeの周辺はとってものどか。
Stonehenge以外にはお土産屋さんと小さなカフェなどがある以外には特に何もナシ、壮大な緑地が広がっている。
最後の写真に写っている白い物体は、すべて羊!のんびり草をもしゃもしゃ。居眠り。お散歩。微笑ましい光景である。

ロンドンから日帰りできる場所なので、みなさんもStonehengeへ是非一度。

写真
01.入場時に手渡されるパンフレット
02.Stonehenge1
03.Stonehenge2
04.Stonehenge2をよく見ると、一羽の烏が羽休めしていた。
05.生憎の雨降り。服もバッグも濡れるが、少しの雨くらいは平気な素材のバッグは重宝。
06.Stonehengeを囲むように観光客が見物をする。
07.出入り口付近には簡単なカフェと土産物屋が1件ずつ。
08.Stonehenge周辺のたくさんの羊。