第68回国民体育大会 カヌー競技/矢澤 一輝

昨年2012年の国体はオリンピックに出場していた為、出場が出来ず、
今年の東京国体は7月10日から9月7日の間、天台宗の僧侶として修行があり
少しブランクのあった試合だった。

しかし、試合会場となった東京都青梅市御岳渓谷は
僕が高校入学と同時に長野県から移り住み
9年の間、世界のトップを目指しながら練習してきた場所だ。
修行中のブランクがあっても練習の思い出が詰まった会場で勝つことが今回の目標だった。

修行終了後から国体当日までは1ヶ月。
2ヶ月トレーニングをしなかったことは今まで無かったので
修行後にトレーニングを再会した時点では体力も筋力も水上での感覚も鈍っており
試合までにコンディションを整える事が出来るのか不安だった。

試合までの3週間は基本トレーニングを中心としたメニューで、焦らずコツコツ過ごした。
僕はどんな効果的なトレーニングよりもカヌーの基本の動きをじっくりやっていく事が自分の力になると信じている。
そんな毎日のトレーニングのお陰で修行前の自分を超える調子ではないが
コンディションは戻り自信を持って試合を迎えることができたつもりだ。

しかし、やはり1ヶ月のトレーニング期間では自信はつかず
試合前は珍しく不安からの緊張があった。
やはり、毎日の練習量は自分に自信をつけるのだと再確認出来た試合になった。
2日間に渡り行われた今大会の試合の結果は、25ゲートが2位、15ゲートが優勝。

試合に出場するからには優勝するつもりだったので満足の試合とは言えないが
なんとか片方の試合は優勝する事ができた。
この結果がこれからの自分にとって大きな一歩なると思う。

日本代表として若い世代の選手への刺激になったのではないだろうか。
これからも自分の基本を忘れず、まずは寒い冬のトレーニングで心も身体も成長させていき
国内でのトッップ順位を維持していきたいと思う。
来年の日本代表も狙うつもりだ。

矢澤 一輝