東急東横店東館:ちびっこプレイランド / Tokyo

開発のスピードが衰えを見せない東京は渋谷駅。
そこから直結している東急東横店は、昭和9年の創業より、地元だけでなく日本各地からの観光客に愛され続けてきた。

土地区画整理事業の施行が認可された渋谷駅周辺は、100年に1度の大改造時期を迎えている。
駅施設の機能更新と再編、駅周辺のにぎわいと回遊性を形成することが目的とされており、渋谷駅とその周辺を含め駅前広場などの都市基盤建設や鉄道関連の計画が進んでいる。
そんな時期に、東急東横店も78年の歴史に幕を閉じようとしている。

東横店の東館。
その屋上に目を向けると、そこにはひっそりと「ちびっこプレイランド」という屋上遊園地がある。
古き良きといえば聞こえは良いが、決してきれいとは言えない雰囲気の、懐かしの遊技場。
ふらりと足を踏み入れれば、昭和の時代へタイムスリップしたような感覚に浸ることができる。
日本における店舗内遊戯施設の起こりは、1903年(明治36年)に日本橋白木屋呉服店(後の東急百貨店日本橋店、現在跡地はコレド日本橋)内でシーソーや木馬など遊戯室を設置したのが始まりである。
戦後復興期や高度経済成長期はこういった施設から、その時代の文化が発信されたものだ。
渋谷という新しさの目立つ街にありながら、時代の流れに流されなかった施設として、時間の許す限り足を運んでみても良いだろう。
※2013年3月31日閉園予定。